Pal-Semi Vol.4 インストア・プロモーションの重要性

効果抜群! インストア・プロモーション!!

 

皆さんこんにちは!今回のパルゼミは『インストア・プロモーション』をテーマに話を進めていきたいと思います。一般に生活者の購買行動に直接的に働きかけるマーケティング活動をセールス・プロモーションと呼びますが、その中でも小売業の店舗の中で展開されるプロモーションをインストア・プロモーション、小売業の店舗の外で展開されるプロモーションをアウトストア・プロモーションと呼んでいます。現在も多種多様な業態の小売業においてインストア・プロモーションが重要なマーケティング活動として位置付けされているのですが、まずはその理由を簡単に解説いたします。

 

すでに『Pal-Semi Vol.2~店頭における生活者の購買心理~』でもご紹介しておりますが、生活者の店頭における購買行動を分類すると、次の4パターンに分ける事が可能です。

 

計画購買:事前に購買の計画あり×実際に購入した

購買中止:事前に購買の計画あり×実際に購入した

非計画購買:事前に購買の計画なし×実際に購入した

非購買:事前に購買の計画なし×購入に至らなかった

 

生活者は必ず上記4パターンの購買行動を店頭で行いますので、まずはこちらを基本的概念としてご理解ください。

 

さて、どうして上記のような説明をしたのかというと、実は生活者のおよそ80%が『非計画購買』による購買行動を行っています。つまり生活者の購買意思決定のほとんどは『店舗の中』で行われているのです。もう分かりましたよね?『インストア・プロモーション=小売業の店舗の中で展開されるプロモーション』であるため、インストア・プロモーションを行うことで生活者に対して直接的かつ効果的に購買を促すことが可能となる訳です!

 


 

『価格主導型』と『非価格主導型』のインストア・プロモーション

 

 

インストア・プロモーションの各種手法をご紹介する前に、もう少しだけインストア・プロモーションに関する理解を深めたいと思います。セールスプロモーションを分解するとインストア・プロモーションとアウトストア・プロモーションに分類されるように、インストアプロモーションをさらに分解すると価格主導型インストア・プロモーションと非価格主導型インストア・プロモーションに分けることができます。これら2種類のインストア・プロモーションは実務において多くの場合同時に実施されますが、その手法は本質的に全く異なります。

 

例えば、生活者が商品に対して感じる『価値』、生活者が商品を購入することで得られる『効用』、生活者が商品を得る為に支払う『価格』を等式として表すと、下記のようになります。

 

価値 = 効用 / 価格

 

価格主導型インストア・プロモーションは『価格』を抑制することで『価値』を上げる手法であり、非価格主導型インストア・プロモーションは『効用』を促進することで『価値』を上げる手法です。つまり価格主導型インスト・アプロモーションと非価格主導型インストア・プロモーションは、そのアプローチ方法が真逆とさえ言ってもいいでしょう。

 


 

インストア・プロモーションの各種手法

 

さて、インストア・プロモーションの概要に関しては粗方の解説ができたと思いますので、続いてはインストア・プロモーションの各種手法に関して、そのメリット・デメリットを含めてご説明いたします。もちろんここに記載した手法がインストア・プロモーションの全手法ではありませんが、基本的な手法に関しては網羅していますので、一度ご確認ください!

 

■価格主導型インストア・プロモーション

 

□値引・特売(Hi&Lo / EDLP)

典型的な価格主導型のインストア・プロモーションが値引・特売になります。期間内において定番価格から価格を下げることで生活者に割安感を与えるHi&Loや、小売業が抜本的な経営改革を行い徹底した低価格を維持するEDLPなどの手法があります。生活者に対して直截的かつ効果的なプロモーションである一方、過剰な値引・特売により生活者がその価格に慣れてしまう危険性も内在しています。

 

□バンドル販売

商品をまとめて購入した場合に売価を引き下げて販売するプロモーションをバンドル販売と言い、基本的には複数購入を促すプロモーション手法となります。単純なバンドル販売では購買の前倒し(=需要の先食い)を引き起こすだけの施策となってしまう点に注意が必要です。

 

□増量パック

売価をそのままに通常より用量を増やし販売する手法です。容量1単位当たりの単価を下げる手法であるため価格主導型プロモーションに分類されます。基本的にメーカー主導で行う施策であり、小売業が積極的に実施するには難しいプロモーション手法であると言えます。

 

■非価格主導型インストアプロモーション

 

□特別陳列

対象商品を定番棚以外に陳列することで購買を促進するプロモーション手法を特別陳列と言い、エンド陳列やアイランド陳列が一般的です。実施の際は演出の要素が重要となり、テーマやコンセプトの設定、およびPOPやボードなどの販促ツールの活用がその成否を大きく左右します。

 

□プレゼントキャンペーン

応募者に対して抽選の上で賞品や賞金を提供するプロモーションをプレゼントキャンペーンと言います。魅力的な景品を設定することで生活者に刺激を与え購買を促進できますが、クローズドキャンペーンの場合には景品表示法において提供できる景品に制限があり、景品自体やキャンペーンへの応募条件を慎重に設定する必要があります。

 

□クーポン

顧客に対して各種特典を約束したチケットを提供するプロモーションを指します。単純な紙ベースのクーポンはもちろん、現在ではウェブやアプリ、LINEなどのSNSを活用したデジタルなクーポンも数多く存在します。会計時にレジで提示して利用するタイプのクーポン施策の場合には、レジにおける人的コストなどの要素も考慮する必要があります。

 


 

インストア・プロモーションも完璧じゃない!?

 

 

さて、ここまではインストア・プロモーションの”メリット”に焦点を当てて解説を行いましたが、もちろんインストア・プロモーションも完璧な販促活動ではありません。実施に則して特に懸念される事項として『内的参照価格の低下』『ブランドイメージの低下』『需要の先食い』『需要の共食い』を挙げることができるのですが、本日の講義の締め括りとしてこれらの要素に関して簡易的な説明を行いたいと思います。

 

□内的参照価格の低下

内的参照価格とは生活者が過去の購買体験に基づき形成した対象商品に対する相場感のことを指し、内的参照価格の低下とは価格主導型のインストア・プロモーションを頻繁に行った際、生活者の内的参照価格が低下し相対的に定番価格を高く感じてしまう状態を指します。結果として延々と同じレベルの価格主導型インストア・プロモーションを実施しなければならなくなり、長期的な利益を確保することが難しい状況が発生してしまいます。

 

□ブランドイメージの低下

こちらも主に価格主導型インストア・プロモーションを頻繁に行った際のデメリットとして挙げることができます。生活者は価格の安い商品に対して『品質が悪いから価格が安い』『人気がないから価格が安い』という判断を下してしまい、結果として対象商品のブランドイメージを大きく低下させることに繋がってしまいます。

 

□需要の先食い

例えば各種インストア・プロモーションの実施期間中に対象商品の売上が上がる一方で、施策が終わった際にその反動として対象商品の売上が減少する場合があり、このような状態を需要の先食いと言います。短期的な視点で見た場合に売上が増加しているように見えますが、長期的な視点を持って見た際に施策の効果が著しく低い場合があります。

 

□需要の共食い

例えば各種インストア・プロモーションの実施期間中、対象商品の売上が上がる一方で同カテゴリー他商品の売上が減少する場合があり、このような状態を需要の共食いと言います。一見すると対象商品の売上は向上しているように見えますが、カテゴリー全体の売上を見た際に施策の効果が著しく低い場合があります。

 


 

まとめ

 

以上、今回のパルゼミではインストア・プロモーションに関して各種解説を行わせていただきました。繰り返しとなりますがインストア・プロモーションは生活者の購買意思決定時点で行われる非常に強力なプロモーションであると言えます。本日ご紹介した以外にも様々なインストア・プロモーション手法が存在しますので、ぜひ一度ご自身でもご確認してみてください!

 

 

参考文献

インストア・マーチャンダイジング 第2版 公益財団法人 流通経済研究所

今すぐ売上が伸びる!店頭プロモーション術 中沢 敦

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