Pal-Semi Vol.7 ”プロモーションの理解を深める”

プロモーションとは?

 
 皆さんこんにちは!突然ですが、皆さんに質問です!「そもそもプロモーションとは?」と聞かれたら迷わずに自信をもって回答できますか? マーケティングに関する総合的な販売コミュニケーションを指すのか、あるいはセールスプロモーションを指すのか。「PR」や「ブランディング」とは具体的にどう違うのか。慣れている方であればすぐに判別がつくかもしれませんが、やはりこのあたりは曖昧になってしまっている方が多いのではないでしょうか。今回のパルゼミでは「プロモーションとは?」をつきつめながら、混同されがちな曖昧な単語の解説も行っていきます。一緒に理解を深めていきましょう!
 

 


 

マーケティングミックスにおける“プロモーション”

 
 モノを売るにあたって欠かせないのがマーケティング。マーケティングとは、商品を効率的かつ大量に売るために行う企業活動すべてを指します。このマーケティング戦略の全体像を掴むものとして、マーケティングの第一人者としても知られるコトラーが活用したのが“マーケティングミックス(4P)”です。
 

 
■Product(何を)
■Price(いくらで)
■Promotion(どうやって)
■Place(どこで)
 
 これは、製品開発から販売までの流れをトータルで整理したものです。見覚えのある単語が並んでいるかと思います。ここでさっそく“プロモーション”が出てきました。ここでの“プロモーション”が持つ意味の範囲はかなり広いです。モノをどうやって売るのか、直接的なものから間接的なものまでを含めた「総合的な販売側と顧客のコミュニケーション全般」を指します。このままでは幅が広すぎるので、もっと詳しく分類していく必要がありそうです。
 


 

プロモーションミックス

 
 上記でも触れた通り、このままの“プロモーション”だと示す範囲が広すぎます。より詳しく見ていきましょう。マーケティングミックスと同じように、プロモーションも「プロモーションミックス」という形で分類されています。先ほど「プロモーションは販売側と顧客のコミュニケーション全般を指す」と申し上げましたが、それに倣ってプロモーションをコミュニケーションに置き換え、「コミュニケーション・ミックス」と呼ばれることもあります。
 

 
■Advertising(広告)
■Sales Promotion(販促)
■Public Relations(PR)
■Personal Selling(人的販促)
 
具体的にはこのようになっています。見慣れた「SP」や「PR」がここでようやく登場です。“プロモーション”というと、すぐにセールスプロモーションとイメージが結び付いてしまいがちですが、実はそうではなかったのです。マーケティング全体のなかにプロモーションが含まれ、プロモーションのなかにSPやPRが含まれるという構造になっています。
 
 しかし、みなさんもご存じの通りプロモーションという言葉は広告やPRを内包した本来の意味だけでなく、狭義の意味を持って使用されるケースも多いです。その際は、やはり主にSales Promotion=SP(販促)を指します。PRに対しより直接的な販売の促進を目的としたキャンペーンなどが当てはまり、SP(直接的)とPR(間接的)という形で使われる場合もあります。
 
 皆さんは普段“プロモーション”と表現するときはどちらの意味で使用していらっしゃいますでしょうか。ビジネスではちょっとした言葉の定義の違いが思わぬすれ違いを生むことがあります。今一度再確認してみるといいかもしれません。
 


 

狭義の“プロモーション” ~セールスプロモーション~

 
 では、ここからプロモーションのなかでもマーケティング・キャンペーンの中心となる「セールスプロモーション(SP)」について解説します。
セールスプロモーションとは、購買の動機づけをし販売を促すことが目的で、その達成のためにさまざまな施策を実施することです。主な種類は以下の4つとなります。
 

◇イベントプロモーション…展示会や音楽ライブといったイベントを利用する方法

大規模な展示会では、出展者として展示会場にブースを構えます。展示会自体の集客力を利用できるため、低コストで高い宣伝効果が期待できることがメリットです。BtoBの商談や、BtoCの展示即売会などが行えます。
 

◇キャンペーンプロモーション…期間限定の商品、特典、割引などで「今だけお得」なプレミアム感を演出する方法

チラシやWebサイトなどでキャンペーン情報の告知を行い、新規顧客の獲得やリピート率の向上を目指します。タイアップ商品やノベルティの進呈などで「付加価値」をつけることも可能です。商品を購入することで旅行やコンサートの招待券が当たるなど、ユーザーエクスペリエンスとブランドイメージの向上が狙えるメリットもあります。
 

◇ダイレクトマーケティング…市場分析と顧客情報のデータベースを基盤とした、顧客との双方向コミュニケーションを行う方法

市場分析のためのWebアンケートや、公式サイトや店頭で会員登録を促す施策により、顧客情報の収集と分析を行います。顧客情報管理(CRM)をもとに顧客のセグメントを割り出し、ダイレクトメールやポスティングなどで販促を行う流れです。CRMを活用することにより、PDCAサイクルがスムーズに回るうえ、KPI(重要業績評価指標)を容易に数値化できます。
 

◇インストアプロモーション…主に小売店で効果的な商品の配列や品揃え、売り場の演出によって、消費者の購買意思決定を促す方法

商品が多様化し、続々と新商品がリリースするなかで、消費者は何を購入するか決めずに店舗を訪れることもあるはずです。行動観察データやPOS(レジ)データから効果的な「インストア・マーチャンダイジング(ISM)」を行い、POP広告や割引シール、店内広告などを活用することで、低コストで見込み客を購買行動まで誘導することができます。
※インストアプロモーションの詳細はコチラ(Pal-Semi Vol.5 ”売場づくり”の基礎知識)
 


 

SP(販促)とPRの違い

 
 セールスプロモーションについて詳しく見てきましたが、ではPRとはどう違うのでしょうか。それを考えるためにはPRについて理解を深めなければなりません。さきほど、直接的か間接的かで使い分けられることもあるとお話しましたが、実はPRは明確に定義するのが難しい言葉です。公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会のホームページを参照してみましょう。協会はPRの定義について以下のように説明しています。
 
アメリカのパブリックリレーションズの教科書として最も読まれてきたカトリップ、センター、ブルーム3氏による『Effective Public Relations』(邦訳名『体系パブリック・リレーションズ』)では、次のように定義しています。
 
――「パブリック・リレーションズとは、組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である」――
 
ちょっと難しい表現ですね。例えば「企業のPR」であれば、「企業とパブリックの間で良い関係(お互いにとって利益のある関係)を築き、それを維持するマネジメントの機能」ということになるでしょう。ここで指す“パブリック”とは、既存顧客や潜在顧客、投資家、メディア、サプライヤーなどなんらかの利害関係がある人(ステークホルダー)はもちろん、ステークホルダー以外の政府やオピニオン形成者も含まれます。すなわち、“パブリックリレーションズ”は、こうした「組織を取り巻くもの」と組織との間で良い関係を築き、それを維持していくためのマネジメント機能と捉えることができます。つまり、実際に買ってもらえるかどうかというところまではPRに含まれないのです。
 
まとめると、SPとPRの違い、それは「何をゴールとするか」にあります。
最終的に商品を買ってもらうことが目的なのであればSP、商品購入に限定せず、組織を取り巻いている個人・集団・社会との間で、適切なコミュニケーションを通して信頼関係を構築していくことが目的であればPRです。
 

プロモーションとブランディングの違い

 
 最後に、プロモーションとブランディングの違いを確認しましょう。繰り返しお伝えしてきましたが、プロモーションはコミュニケーションの一部です。販売の促進をしていくために消費者とコミュニケートするのがプロモーションであり、コミュニケートによって促進される、という面が定義に含まれてきます。コミュニケートすることを通して消費者の商品に対する関心を高め、その関心を「購入」と結果へつなげていくのです。
 
 対して、ブランディングは商品の株を上げることが目的です。ある特定の商品に対する価値、評価と言った「ブランド」としての側面を向上させるのが目的であり、販売促進は目的にはなりません。もちろん、ブランドとしての認知度、知名度を向上させていく過程では売れ行きを伸ばすということが必要にはなるかもしれませんが、売れ行きを伸ばすことそれ自体が目的になったりはしません。売れ行きが伸びたり、知名度が上がっていくその過程で、「良い商品であるという信頼」や「ここのものを買えば大丈夫と言う安心感」を与えていくのがブランディングといえます
 


 

まとめ

 
■広義の意味
直接的なものから間接的なものまで含めた総合的な販売側と顧客のコミュニケーション全般。Advertising(広告)、Sales Promotion(販促)、Public Relations(パブリックリレーションズ)、Personal Selling(人的販売)などに分類される。
 
■狭義の意味
主に、Sales Promotion=SP(販促)を指す(PRに対し、より直接的な販売の促進を目的としたキャンペーンなど)。
 
■PRとは
「パブリックリレーションズ(Public Relations)」のこと。プロモーションのなかにPRが含まれる。「広報」と同義と捉えられることもあれば、別のものと捉えられることもある。「別のもの」とみなされる場合、「広報:一方から発信」「PR:双方向あるいはマルチディメンショナル」と区別される。SPとは違い、商品購入そのものが目的ではない。
 
■ブランディングとは
商品の株を上げることが目的。ある特定の商品に対する価値、評価と言った「ブランド」としての側面を向上させるのがゴールであり、販売促進は含まれない。
 
 いかがでしたでしょうか。プロモーションがマーケティングに関する総合的な販売コミュニケーションを指すのか、セールスプロモーションを指すのかで検討する範囲は大きく変わります。言葉の意味を確認するまでもないと思われるかもしれませんが、商談などをするうえで「プロモーションという言葉をどういう意味で使っているか?」について、確認をしておいたほうがいいケースが多々あります。また、パブリックリレーションズ、ブランディングなども人によって捉え方が異なる場合があることに留意したほうがよいでしょう。この記事が少しでもみなさんの理解が深まる一助になっていれば幸いです。
 
それではまた、次のパルゼミでお会いしましょう!
 


 

参考文献

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

PRについて

 

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