セールスプロモーションの企画立案その前に


大切だけど忘れがち!? セールスプロモーション企画立案の事前準備!!

 皆さんこんにちは!今月のパルゼミは「セールスプロモーションの企画立案その前に」をテーマに話を進めていきたいと思います。さて、いきなりですがセールスプロモーション(以下SP)の企画立案を行う際の事前準備で最も大切となるポイントは、大きく分けて次の2点になります。

事前の現状分析を十分に行う

目的と目標を明確化する

 なんか普通のことだな…と思われたSP担当者の方も多くいらっしゃるかと思いますが、実はこの2点、実際にSPの企画立案をする際についつい忘れがちに(あるいはおざなりに)なる部分でもあります。本日のパルゼミではこの当たり前の作業にスポットを当て、読書の皆さんにSP企画立案の準備に必要な作業を、改めてご理解いただくことを目標にします!

 

敵を知り己を知れば百戦危うからず!! 現状分析がSP施策の第一歩!?

 言わずと知れた孫氏の名言に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。敵と味方の実情を熟知していれば百回戦っても負けることはないという趣旨の発言ですが、この言葉、そっくりそのままSPの企画立案にも当てはまります。

 なぜならSP企画立案の最初のステップは、「SP施策を実施する商品やサービス、およびそれらを取り巻く市場動向・顧客動向・競合動向を分析すること」から始まるためです。とは言ってもなかなかイメージが湧きにくいでしょうから、早速ですが具体的な分析方法を、順を追って確認していきたいと思います!

 

A:市場動向・顧客動向の分析

 まずは市場と顧客の分析を行います。市場・顧客分析の主な目的は、ニーズの量と質、つまり市場規模の大きさと顧客ニーズの種類を把握することです。まずは該当市場(カテゴリー)の過去3~5年の需要推移や今後1~3年の需要予測を統計資料などから調査し、該当市場が持つ特徴(例えば該当市場のトレンドや傾向、どのようなタイプの需要が成長しているのか)を把握します。加えてターゲットとなる顧客の属性情報(性別・年齢・住所など)はもちろんのこと、趣味や生活・行動パターンなどの細かな情報を徹底的に調べあげ、詳細なペルソナを設定することも重要な作業のひとつとなります。また時間的・予算的な余裕がある場合には、実際に自分の足で店頭に足を運び売り場の状況を確認したり、自社商品のサンプリングやモニター、アンケートを行うことで、該当市場や顧客に対するよりリアルな現状を把握することも効果的です。

 

B:競合動向の分析

 続いて行うべき分析が競合動向の分析です。競合動向の分析は、競合企業が市場や顧客ニーズの変化に対してどのような施策を実施しているかを知る事が主な目的となりますので、競合企業が実施したSP施策の結果、②その結果を導きだした理由、の二点に絞り分析を進めると効果的です。また、これらの情報は常にアンテナを張った状態でなければキャッチすることが難しい情報でもあるため、SP担当者は競合他社がどのような時期に、どのような場所で、どのような手法を用いてSP施策を実施しているのかを日頃から注意深く観察・記録しておく必要があります。

 

C:自社商品・サービスの分析

 最後に行う分析が自社商品・サービスの分析です。この作業は、言わばこれまでの分析のまとめのような役割です。市場・顧客動向の分析と競合動向の分析で得た情報を基に、競合企業が実施した施策の良い点を取り入れた施策や該当カテゴリーにおいて競合企業がカバーできていない領域をフォローできるような施策、自社の商品・サービスに最も適していると思える施策を考えます。前段階において十分な市場・顧客動向の分析、および競合動向の分析が出来ていると、この段階で自社商品・サービスにとっての課題(問題点)やチャンス(機会)が鮮明に見えているはずです。後は解決が可能である課題(問題点)を取り上げ、機会(チャンス)を探っていきましょう。

 

前年比売上200%でも施策失敗!? 「目的」と「目標」が大切な理由!!

 さて、ご紹介した分析(気づいた方もいらっしゃると思いますが、ご紹介した分析手法は「3C分析」と言われる有名なビジネスフレームワークの簡易版です)をしっかりと実践していただくことで、大まかなSP施策の方向性は決定したと思います。

が!!!

 ここで非常に重要でかつ忘れられやすいポイントが1つあります。それが「目的の明確化」と「目標の設定」です。なんだか似たような言葉ですが、それぞれに異なるとても重要な意味が含まれています。まずは「目的」と「目標」のそれぞれの意味をご説明いたします。

■目的:企画したSP施策で実現させたい内容

■目標:企画したSP施策の結果を客観的・数値的に判断できる基準

 さて、言葉だけの説明ではどうしても微妙なニュアンスを伝えることが難しいため、どうして目的の明確化と目標の設定が重要であるかという理由を、簡単な例と一緒に解説していきたいと思います。

 例えばあるSP施策の目的と目標を次のように設定したとします。

■目的:40代女性(商品のメインターゲット)のリピート促進による売上増加

■目標:前年比売上130%

 そして、このSP施策を実施した際の結果が次のようになりました。

■結果:20代男性のトライアル購入が増加し、前年比売上200%

 いかがでしょう?皆さんにとってこの施策は成功した施策だと言えるでしょうか?先に結論を言ってしまうと、この施策は明らかに失敗した施策であると言えます。理由は簡単で、確かにこの施策では「目標(=前年比売上130%)」は達成していますが、「目的(=40代女性のリピート促進)」は達成していないからです。言い換えるならば「この施策が企画された段階に期待された効果(=本来の目的)とは異なる効果(=予定されていない目的)が生み出されているから」と言うことができます。要は「施策が企画された段階に立てた仮説が間違っていた」ということです。

 さて、すでにお分かりの方もいらっしゃると思いますが、「目標」だけを設定し「目的」を設定しないSP施策は非常に危険であると言えます。それはつまり「たとえ仮説が正しくなくても成果が上がればそれでいいや」という考えであり、もしそのような考えを肯定してしまうと、もはや「企画立案」を行う必要さえないと言えるでしょう。

 また同じように「目的」だけを設定し「目標」を設定しないSP施策も非常に危険です。成果に対する客観的・数値的な目標到達地点が設定されていないSP施策では、現状とゴールの差が明確でないために施策の軌道修正を行うことが難しくなってしまい、結果的に施策に対する第三者的な評価を行うことが極めて困難な状況になってしまいます。SP施策を実施する前には、客観的かつ数値的に表すことのできる目標を必ず設定しておきましょう。

 

まとめ

 以上、本日のパルゼミではセールスプロモーションを企画立案する前段階に必要となる重要なポイントをご紹介いたしました。本日お話をさせていただいた部分に関しては、頭では実践すべきだと分かっていても実際の企画立案の際におざなりにされがちな部分です。しかしだからこそ、この一手間を行ったSP施策とそうでないSP施策の間には結果には、大きな違いが現れます。確かに面倒くさい作業ではありますが、騙されたと思って、ぜひ一度実践してみてください!

ーーーーー★次回パルゼミまでの課題★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・自社商品・サービスをひとつ選び、その商品・サービスを取り巻く環境について分析を行う。

・分析に基づくSP案を企画し、その目標と目的を決定する。

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参考文献

この一冊ですべてわかる販促手法の基本 岩本俊幸